採用を劇的に改善する採用戦略の立て方5ステップ

採用戦略

近年では、数多くの企業が人手不足で優秀な人材の採用ができず、代表や人事担当者の頭を悩ます課題となっています。

「採用をすることになったけど、何から考えて良いのかわからない」
「採用戦略を立てたいけど、やり方がわからない?」このような悩みはありませんか?

実際に何をどのように組み立てれば良いかよくわからない方も多いのではないでしょうか。今回は「なぜ戦略を立てることが必要なのか」「どのように戦略を立てるべきなのか」等についてを詳しくお伝えいたします。
記事の最後には、採用戦略を立て、人材採用に成功した企業の事例も紹介しています。

本記事の内容を理解し、自社の採用活動に役立ててください。

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目次

企業の採用戦略を立案するための5ステップ

この章では採用戦略を実際に立てるためのステップを細かく見ていきます。

  1. 採用チーム、フローを構築する
  2. 採用したい人材像を明確にする
  3. 採用スケジュールを設定する
  4. 自社の強みを把握する
  5. 採用手法を設定する

上記の順番で実際に会社に合った採用戦略を立案してみましょう。

採用チーム、フローを確認・構築する

採用戦略を立案するためのステップ一つ目は、採用チームや採用フローの確認・構築をすることです。
採用戦略には、誰が対応するのか、採用フローはどうするのかを事前に検討し、どのように採用を進めていくのか確認する必要があります。
応募数や面接数のKPIやKGIを設定した場合、実際に対応可能な数を事前に把握しておくと、採用フローで発生した問題を防ぐことができるでしょう。

採用戦略は企業全体に関わる課題であるため、採用・人事担当者だけでなく広く協力を仰ぐことが採用成功への重要なポイントです。

■決裁権を持つ役員1名(最終面接)
■人事担当者1名(応募者対応や書類選考、一次面接)

採用戦略を効果的に進めるためには、立案チームに十分なリソースがあることが大切です。なぜなら、既にある業務で手一杯で動けないと、戦略の立案や実行も滞ってしまう場面があるからです。

社内の体制を確認し、必要なリソースが確保できない場合や、より専門的・効果的な採用戦略を立案したい場合には、一部の業務をアウトソーシング化することも視野に入れ採用戦略を立てましょう

【アウトソーシング例】

■スカウト送信代行を依頼する
■応募者対応(面接設定)代行を依頼する

など採用に避ける時間や工数について、採用戦略を立てる前に確認をしておきましょう。

会社が獲得したい人材像(ターゲット)を明確にする

採用戦略を立案するためのステップ二つ目は、今一番求める獲得したい人物像(ターゲット)を明確にすることです。採用戦略を立てる際はまず、採用ターゲットやペルソナを設定していきましょう。
ターゲットやペルソナを設定することで、各組織にはどのようなターゲットが必要なのか、採用要件を書き出してみると効率的に獲得したいポイントが見えてきます。

経歴やスキル、勤務条件、価値観など、人物像(ターゲット)を具体的に定義することでターゲット人材の置かれている状況や企業に求めるニーズをイメージしやすくなり、より最適な採用手法やアプローチ方法を効率よく選択できるようになります。

また、人物像(ターゲット)の解像度を高めることで、選考時の確認事項が明確になるため、面接官の主観的な評価によるミスマッチを防止できるでしょう。

採用したい人物像(ターゲット)を明確化する際に重要なのは、採用後の人事戦略と連動させることです。
現時点だけでなく、今後どのような人材が必要であるかを検討し、自社との親和性の高さや入社後の教育体制を考慮しつつ人物像(ターゲット)を定めていきましょう。

まずはより細かく、採用戦略に下記のように必要な条件を書き出すと良いでしょう。

【必要条件の例】

  • 社会人経験は1年以上
  • 年齢は25歳以上35歳以下
  • マネジメントのスキルを持っており、周りを引っ張っていける
  • 週5で正社員として働ける
  • 個々よりチームを重視する

 

上記で挙げた例のように、細かい条件や理想をの条件を書き出していくことが採用戦略のポイントです。

そのうえで、採用を成功させるうえで絶対に必要な条件はなにか、妥協できる部分はあるのかといった部分も探していきましょう。
あまり厳しい条件を挙げてしまうと、採用が難しくなっていく傾向にあるため、必要十分な採用ペルソナを心がけると良いです。

採用ペルソナについてもっと詳しく知りたい方は、「【テンプレート付】欲しい人材を確実に採るための採用ぺルソナ設定方法」の記事で詳しく解説していますので、ご確認下さい。

人材採用スケジュールを設定する

採用戦略を立案するためのステップ三つ目は、人材採用のスケジュールを設定することです。採用スケジュールを設定するには、まず、入社時期を確定させる必要があります。
何月(いつ)までに何名採用する計画を立てているのかを確認しましょう。

各部署が募集する職種や採用目標人数を設定し、いつまでに何を行うのか、採用スケジュールを立てましょう。
「選考のフロー」や「説明会の日程、内容」「面接担当者の決定」「採用決定者のフォロー体制」などを定めていきます。

【採用フロー・スケジュールの例】

■選考のフロー:応募→書類選考→1次面接→適性検査→2次面接→内定→入社
■説明会の日程:毎月第2水曜日と第4水曜日
■入社までの期間:書類選考に2日、面接~内定には2~3週間
■説明会の内容:業界に興味を持っていただいていて、自社への応募を迷っている方向けの企業説明会
■面接担当者の決定:2人の面接担当者から、面接日時決定時に担当者を選定
■採用決定者のフォロー体制:採用した人事担当者が2週に一回のメール送付、月に1度の食事会を設定

など、なるべく細かく決めておくことが良いでしょう。採用スケジュールを設定する際には、求職者目線に立ってに配慮することが大切です。入社時期から逆算した、一般的な中途採用スケジュールは以下の通りです。

【6月入社で採用戦略を立てる場合の例】

広告出稿準備:4ヶ月前(2月)
母集団形成:3ヶ月前(3月)
選考面接:2ヶ月前(4月)
内定・入社準備:1ヶ月(5月)
入社:6月

※入社から約3ヶ月前には広告掲載を開始するように採用戦略を組み立てていきましょう。
内定を出してから入社まで人により異なりますが、在職中の方であれば退職まで1ヶ月はかかる形が一般的です。

自社の魅力や強みを分析・把握し、戦略を練る

採用戦略を立案するためのステップ四つ目は、自社の魅力や強みを分析・把握し、戦略を練って採用活動に挑むことです。自社への応募や入社に繋げるためには、他社との差別化や採用ブランディングが重要です。
自社の強みを分析や把握をしておくことで採用戦略に軸ができ、施策に統一性と一貫性が生まれます。
フレームワークを用いながら「求職者のニーズ」や「自社の魅力、課題」「競合他社の強み、弱み」などを分析、把握していきましょう。
具体的には、SWOT分析(スウォット分析)Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)などのフレームワークを利用してみてください。

■自社の強み:みんな仲が良く、意見が活発に出る職場。誰でもすぐに仲良くなれるメンバーがいる。
始業時間が10時からと遅く、朝の時間は余裕がある。3ヶ月に1度達成会がある。
■自社の弱み:人数規模が小さい、給料はそれほど高くない。
■競合他社の強み:給与が高い。知名度、安定感がある
■競合他社の弱み:商品数が少ない、役割、ポジションが大企業ならではでチャンスが少ない。

自社だけでなく、他社の情報も集めることで、他社と比べて自社がメリットとなることが見えてきます。

アピールポイントを明確にして採用活動を行うことで、自社にマッチした人材からの応募が期待できます。
職場の人間関係が嫌になってしまって転職活動をしている第二新卒を採用するために、自社のみんなで楽しく休憩時間に話せる職場であるという魅力をアピールする。
プライベートと仕事を両立させたい方を採用するために、競合他社は残業が多い中、自社は残業が月平均10時間以内であることをアピールする。
自社のどの部分を打ち出していくかによって、採用できる人材は変わっていきます。

採用手法を設定する

最後は、採用手法を設定することです。求める人物像(ターゲット)と自社のアピールポイントが明確になったら、採用手法を決定していく流れになります。

採用手法には、「求人サイト」「転職サイト」「ダイレクトリクルーティング」「人材紹介」「リファラル採用」「ソーシャルリクルーティング」などさまざまな種類があります。
それぞれに特徴があり、採用ターゲットによって有効な手法やチャネルも異なるため、市場のトレンドや競合他社の動向を把握しながら、自社の採用課題や採用計画に適した採用戦略を検討することが重要です。

また、各採用手法には一長一短があるため、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で採用手法を決定しましょう。それでは、実際に手法を考えていくステップを毎にご紹介していきます。

    【STEP.1】大枠どういった手法を使うかの採用フローの流れを掴み、最終的に進め方を決定する場合
    ・費用がかかるため、ダイレクトリクルーティングや人材紹介は使用しない。
    ・リファラルは応募数が安定しないので、今回は検討しない。
    ・ソーシャルリクルーティングは人事担当者のかける時間が多く、リソースが足りないので使用しない。

    ➡結果、求人サイトと転職サイトを利用する。

    【STEP.2】実際に利用するサイトの戦略を立てていきます。
    ・今回の募集は多少年齢層が高くても良く、応募数がたくさん欲しいので、リクナビNEXTを利用する。
    ・どのような原稿が良いか検証を行いながら効果を良くしていきたいので、Indeedを利用する。
    ・複数職種を扱える媒体を他にも利用したいので、求人ボックスも利用する。

    ➡それぞれの媒体の特徴や、費用を合わせて決定します。

    【決定した採用戦略】
    ・使用する媒体はリクナビNEXTとIndeedと求人ボックス
    ・リクナビNEXTは8週間で28万円
    ・Indeedは毎月20万円、2ヶ月で40万円
    ・求人ボックスは毎月10万円、2ヶ月で20万円

    ➡結果、合計2ヶ月間で88万円の予算を使用して採用を行う。

    必ずしも一つの採用戦略にこだわる必要はありません。
    複数の手法を組み合わせることも良い戦略と言えるでしょう。
    どの採用手法がベストなのかわからない場合は、代理店に無料のコンサルを受けてみたり、人材紹介会社にどんな人材を紹介してもらえるのか聞いてみたりするのも良いでしょう。

    採用戦略を具体的に運用する際のポイント5選

    立案した採用戦略を実行する際に気を付けるポイントは以下の5つです。

    1. 人事戦略とは常に一貫性をもたせる
    2. 社内全体へ共有を確実に行う
    3. PDCAを回して効果検証する
    4. 採用担当者のスキルを向上する
    5. 社内の人事体制を確認する

    これらを意識して、立案した戦略を使用して採用を成功させ、次年度にも経験や知識をつないでいくようにしましょう。

    人事戦略とは常に一貫性をもたせる

    採用戦略を具体的に運用する際のポイント一つ目は人事戦略を常に一貫性を持たせることです。
    採用戦略は人事戦略のうちの1つです。
    それぞれの方向性がバラバラにならないよう注意しましょう。
    採用戦略とは、実際に人材をどう採用するかの戦略ですが、人事戦略とは会社の規模をどうやって増やしていくか、どのように社員を成長させて貢献してもらうかなど、採用戦略をたてる元となっている戦略です。

    会社が1年で社員数を60人増員しようとしている場合、年間60人の採用では退職者が考慮されておらず、一貫した採用戦略とは言えません。そもそも、60人増員の人事戦略を立てているのに、使用できる予算から概算した採用可能人数が50人しかいない場合などはもってのほかです。

    人事戦略の中でしっかりと採用戦略が組み立てられているからこそ、適切な人材の採用を実行できます。
    月に100万円の売上を作り出せる社員が欲しい場合、入社後の教育ができないのであれば、最初から売上100万円を生み出せる社員を採用する必要が求められてくるでしょう。

    しかし、フォロー体制や教育体制が整っているのであれば、入社時は未経験者でも育てることができます。そこで採用難易度を下げ、より多くの応募を集めることが今後の採用に繋がっていきます。

    逆に、入社後の教育プログラムが整っているのであれば、ポテンシャル重視の採用でも問題ありません。しかし、フォロー体制が整っていない場合には、即戦力となる人材を採用する流れで採用戦略を進めていくようにしましょう。

    社内全体へ共有を確実に行う

    採用戦略を具体的に運用する際のポイント二つ目は社内全体へ共有を確実に行うことです。
    採用担当者のみで採用戦略の立案や実行を行うことは不可能です。
    どのくらいの採用費用をかけられるかは、上席や役員の決定に従う必要があります。
    また、どのような人材が本当に必要かは実際に働く現場の責任者やメンバーにヒアリングを行い、それらを踏まえた採用戦略が決まったら社内全体へ共有しましょう。
    関係各部署の同意や協力体制が得られれば、採用戦略をスムーズに実行できます。

    実際の採用部隊、経営者サイド、現場メンバーの考えや目標が一致していないと、内定率や、内定受諾率に大きく影響がでます。
    チーム全員が同じ目標を持って、採用状況を把握して採用活動が行えるようにしましょう。

    PDCAを回して効果検証する

    採用戦略を具体的に運用する際のポイント三つ目はPDCAを回して効果検証することです。

    事業計画と同様に、採用戦略を立てた後はその効果を検証してフィードバックを行うことが大切です。
    半期や年度ごとに採用活動の成果について振り返り、新たに出た課題がないか、反省するべき点はなかったか見直し、次の採用活動をどのように改善するべきか検討しましょう。

    フィードバックを行う際は、応募数や、入社数だけでなく、定着率まで追いかける必要があります。
    どんなに優秀な人材を採用できても、定着せずに早期離職となってしまえば、採用戦略は間違っていたことになります。
    「募集」「選考」「内定」「入社後の活躍」と細かく分析を行い、それぞれの課題と成果を洗い出し、次年度や次の採用時に活かすようにしましょう。

    採用担当者のスキル向上も重要

    採用戦略を具体的に運用する際のポイント四つ目は採用担当者のスキル向上です。
    優れた戦略を立案しても、実行する担当者がスキル不足の場合には、計画通りの運用ができないことも考えられるでしょう。
    そのため、採用担当者のスキルを高めたり、戦略を実行できる体制を整えたりする必要があります。

    特に重要となるのが、面接です。
    面接官は、ただ自社の採用要件に合っているかを判断するだけではいけません。
    求職者に自社を選んでいただくために、企業の強みをアピールして動機付けも行う必要があります。
    応募者に自社を選んでもらうためにも、採用するためにも、面接のスキルアップは欠かせないと言えるでしょう。

    自身が面接を行わない場合でも、面接の担当者に「採用の目的」や「スカウトした理由」「質問事項」「見定めるポイント」などを共有し、認識の統一を図っておくことも大切です。
    万が一担当者が複数いる場合は、スカウトの文面や質問事項などの決まったフォーマットのようなものを用意しておくと、効率も良くなりますし、採用担当者のスキルアップにも繋がります。

    社内の人事体制を確認する

    採用戦略を具体的に運用する際の最後のポイントは社内の人事体制を確認することです。
    採用活動は企業側にとっても、決して負担が小さな業務ではありません。
    もし採用戦略を実行する上で社内の人員が十分ではない場合、人員強化を行う必要があるでしょう。
    近年では、採用活動を外部のプロに委託する企業もあります。
    社内では社員にしかできないコアな業務に集中し、それ以外はアウトソーシングすることで、採用活動に対する社内の負荷を減らすことができます。そのため、進め方や流れをしっかり理解して採用活動を行っていきましょう。

    採用計画の設計は外部に依頼相談しながら進める

    採用戦略を立てる余裕がない場合や、うまく採用戦略を立てられない場合は外部に依頼・相談するのも一つの手法です。
    求人広告の出稿スケジュールや転職フェアの開催日、人材紹介会社からの紹介人数の把握など、採用、求人業界にいないと入手が困難な採用情報が多数存在します。

    自社商品以外もしっかり情報提供してくれるか、採用施策やキャンペーン嘘偽りなく提供してくれるかなど、信頼がおける企業、営業、体制かの見極めも大切です。

    コア業務の活動にリソースをさくことができる

    採用戦略を外部に依頼することで、人事担当者にしかできない、面接の対応や内定者のフォローなど、本当にやりたい採用業務に時間がとられている場合でも、確実に採用戦略を立てることが可能です。
    担当者の手が空けることができれば、より丁寧な応募者対応を行い、入社率を上げることも可能です。
    また、そもそもリソースが空いておらず採用戦略が立てられない場合も、外部へ依頼することはとても有効な手段となり得るでしょう。

    専門家の知識を使うことができる

    人事担当者でも、使用したことが無い媒体の知識や、直近の採用市況感など、完全に理解できていない方も多いと思います。
    一つの解決方法として、その道の専門家に依頼することで、最新のプロの知識を使用することでより良い改善案を考えることができると思います。

    採用戦略を一人では具体的に立てられない場合でも、企業にとってベストマッチな採用戦略と実行手段を立てることが可能です。
    不安が少しでもある場合は、専門家に依頼して相談に乗っていただいたり、戦略を立てて頂いたりするのが良いでしょう。

    質の高い人材を採用するには前もって戦略を立てることが不可欠

    採用戦略を考えることで、以下の3つが解消されます。
    質の高い人材を採用する上で必要不可欠です。

    1. 応募が来ない状況を防ぐ(必要な応募数を把握)
    2. 入社後の食い違いを防ぐ(伝える情報の明確化)
    3. 内定辞退を防ぐ(内定辞退防止策)

    それぞれ詳しく見ていきましょう。

    戦略を立てると応募数が向上のメリットがある!?必要な応募数を把握しよう

    はじめに、採用戦略を立てることが応募数の増加にもつながるという点です。
    また、事前に必要な応募数を把握して算出することで求人広告の出稿計画や採用予算の算出が可能になります。

    採用戦略を明確に立てる事により、事前に必要な応募数が算出できます。
    必要な応募数や入社数と採用予算に合わせて、採用要件も吟味して決める必要があります。
    特に中小企業やベンチャー企業など採用予算が限られている中で、採用要件が高すぎる場合などは注意が必要です。

    ■自社に必要な人物像の要件を定義する。
    ■応募数を担保するための募集要項の要件を決める。

    必要な応募数が算出したうえで、採用条件と募集要項のバランスを整える必要があります。
    事前に採用戦略を考える事で、応募条件のバランスを取ることが出来るようになります。

    また、事前に応募数を想定しておき、応募数から入社までの各種KPIを設定しておけば応募数に課題があるのか、各種KPIに課題があるのかが分かるようになるので、戦略が立てやすくなります。

    一般的に良く利用されるKPIは以下の通りです。

    応募数→有効応募数→面接設定数→面接数→面接通過数 →内定数→内定承諾数→入社数

    入社数から逆算して、必要なそれぞれの数字を事前計画することが効率的な方法です。
    採用KPIを決めておくと、採用課題の発見や企画立案解決もしやすくなります。

     

    必要な応募数を把握して、事前に採用戦略を立てる事で、応募数の増加に繋がりますので、採用課題についてもっと詳しく知りたい方は、
    ぜひ「【採用課題18選!フローチャートで課題を発見・解決する方法を解説」の記事もご覧ください。

    戦略を立てることで、入社後の食い違いが大幅に減る

    二つ目は採用戦略を立てることが入社後のギャップを減らすことにつながるという点です。
    採用戦略を明確に立てることにより以下のポイントが分かります。

    ■自社に必要な人材がはっきりする
    ■求職者は自社の魅力がはっきりする
    ■情報の内容、情報の伝達手段が明確になる

    これらがわかることにより、入社後のギャップを減らせることができるからです。

    面接時は優秀だと思えた人材が、期待していたように活躍してもらえなかったケースはありませんか?
    採用した方が入社後に違和感を覚えて早々に退社してしまうケースもあるでしょう。

    例えば、スタートアップの企業様の場合、業務範囲が広くなりがちでありますが、魅力としては幅広い業務が経験できることです。反対に、デメリットとしては属人的な部分が多いなどです。
    社内で働く際により必要となる経験や考え方が実際の環境と募集時の選定基準でずれてしまっている場合だと、入社後のギャップが大きくなり、離職率を高めてしまうことに繋がります。しっかり、メリット、デメリットも含めて伝えていくことも考える必要があります。

    わかりやすい例えだと、「未経験者の求職者に入社いただいたものの、実際求められているのは即戦力だった」といったケースや、「マネジメント経験のある方に入社いただいたが、実際はメンバーとして働いていただくことになった」などといったケースです。この場合は大体がすぐに離職してしまいがちです。

    本当に、自社に必要な人材はどのような方なのか、しっかりと事前に採用ターゲット設定や採用ペルソナが立てられていれば、それに合わない方を採用して、自社にマッチせずに早期に退職してしまったり、活躍してもらえなかったりすることを防げます。
    人材を採用するには多くの時間とコストが掛かるので、それらを無駄にしないためにも、戦略の立案は重要な要素となります。

    また、採用面接時に利用する採用ピッチ資料や採用動画の作成など、誰に、何を伝えればいいかも、
    採用戦略の中の一つです。事前に採用戦略を立てるからこそ、必要資料も用意することができます。

    入社後のギャップ、ミスマッチを減らすための採用施策

    採用ピッチ資料:採用面接を実施する際に求職者に自社の情報を適切に伝える事ができます。入社後のキャリアパスや現状について、未来について、過去の歴史についてなど詳細をしっかり伝える事ができるようになります。
    SNS活用:SNSで自社の雰囲気やメッセージを伝えるか、更新頻度や発信内容や工数含めて実施するか
    採用HP:自社の採用HPで社員のインタビュー記事や写真など求人表以外の広報を行う。
    採用動画:採用動画を用いて、広報やブランディングなどで利用も可能ですし、面接時や新卒の会社説明会、セミナーなど企業理解を深めてもらう事もできます。利用用途に応じて作成して運用。
    適性検査:新卒採用にも中途採用にもどちらにも有効なのが適性検査です。人を見極めるのは難しいので、適性検査で一定基準を作り運用することで、ミスマッチを防ぐ精度を高くすることができます。

    採用戦略を立てる上で、発信すべき情報と発信する手段を明確にして戦略を立てる事できます。

    戦略を立てることで内定辞退を防ぐことができる

    三つ目は、採用戦略を立てることが内定辞退を防ぐことができるという点です。
    優秀な人材であれば、当然他社も採用に興味を持つはずです。もしも求職者が自社より他社を魅力的に感じた場合には、内定を辞退されるリスクがあります。
    例えば自社の採用条件や魅力が以下の事例の場合だとしましょう。

    ■年収400万円
    ■意見が通りやすい職場

    もし他社企業の条件がよくても、魅力次第で内定を承諾してもらうことも可能です。
    例えば他社で内定をもらっている企業の条件や魅力が

    ■年収450万円
    ■トップダウンの職場で、自分の意見はなかなか通りづらい

    このような場合、条件面では負けていても、求職者が自分で裁量をもって意見を出しながら働きたいと考えている場合は他社ではなく、自社の内定を承諾してもらえる可能性は高くなるでしょう。
    給与条件面以外で訴求すべき企業情報を予め想定して採用活動、採用広報を実施すると他社に勝つ戦略が見えてきます。

    必要以上に能力の高い人材を求めようとしてしまうと、それに伴って求職者が求める採用の条件も高くなり、採用が難しくなる傾向があります。
    同じような条件の他社と求職者が内定承諾を迷っている場合、職場の雰囲気や環境、起業の魅力によって求職者に選んでもらえるようになるでしょう。
    もちろん良い条件を提示することも必要ですが、求職者の第一希望となるような、職場の環境や取り組みなど企業としての魅力を採用戦略で作り上げる必要があります。

    自社企業の強みと弱みを採用戦略を策定時に、分析しておき、自社で働くメリット、デメリット、他社企業と比較して訴求するポイントやコンセプトを決めておくことで、内定辞退を防ぐことができます。
    また、面接官や人事の方に市場のマーケティングデータや自社の強みなど伝えていきたい情報を事前に共有しておくことで、内定承諾率が上がります。

    採用戦略とは計画・実行プランを決めること

    最後に、採用戦略では計画・実行プランを決めていくことです。採用戦略とは、企業が自社の求める人材を獲得するために立てる戦略です。具体的には主にこちらの方針を決めることを指しています。

    ■採用戦略の立案チームを編成する
    ■採用したい人材像を明確にする
    ■採用スケジュールを設定する
    ■自社の強みを把握する
    ■採用手法を設定する

    採用戦略とは、言葉で説明するならば、採用を成功させるために「どのような基準・方針を持って活動するのか」、採用の軸を決めることを指します。
    採用戦略を立てずに施策から採用活動をはじめてしまうと、場当たり的な施策アイデアになってしまい、採用の確率が低くなったり、うまく行かなかったときに改善する方法が分からなくなる場合があります。
    採用を急ぎたいがあまり、求人広告の掲載や採用広報など、施策から入ってしまわないよう気を付けましょう。

    また、採用の軸となる考え方が社内で共通認識をとれないと、採用を巡った社員同士の議論が噛み合わないことも起こり得るでしょう。
    採用の必要性や重点的な取り組みを描いた「戦略」があって、はじめて採用を成功させるための土台が整い、有効な採用施策を考えることができるのです。

    採用戦略を立てて入社率を劇的に向上させた3つの事例を紹介!

    ここでは、採用戦略を立て、人材採用に成功した企業の事例を紹介します。
    自社でも真似できる部分を見つけ、採用の成功に近づけていきましょう。

    一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー・ハイヤー事業者)

    一つ目の事例は、一般乗車旅客自動車運送事業(タクシー・ハイヤー事業者)の事例です。
    一般乗用旅客自動車運送事業会社は採用戦略を立て直したことで、年間の応募数を2倍にすることができました。
    実際に作成した採用戦略は下記の通りです。

    1. チームの編成
      人事担当者だけでなく、副所長にも採用チームに加わっていただきました。
      経営戦略がスムーズに伝わるようになり、費用の調整等も素早く対応ができ、効果の良いタイミングを逃さず媒体を使用できるようになりました。

    2. 人物像(ターゲット)の明確化
      なるべく若い人が欲しいと、若い人向けの訴求をして採用活動をおこなっていたが、実際は50代からの応募が多く、採用もつながっていました。ターゲットへの訴求を中高年や男性、40代や50代に向けた訴求にすることで、全体の応募数を大幅に増やすことができました。

    3. スケジュールの決定
      通期で採用活動を行っていましたが、月ごとで採用目標の詳細を立てることで、進捗を追いやすくしました。
      その結果、より効果検証が細かくできるようになり、効果が悪い場合は早期に対策が打てるようになりました。

    4. 自社の強み、打ち出す魅力を決定
      他社と比較して、給与の保障額が多かったため給与の訴求を強く打ち出しました。
      応募数も増え、実際に営業収入が高い人材を多く獲得することに繋げることができました。

    5. 採用手法の決定
      特定の媒体のみを使用するのではなく、様々な媒体を使用し、露出を増やしました。
      ウェブマーケティング全般を利用することで、応募単価を安くすることができました。
      ※1つの媒体で2倍の金額を使用しても、応募数が2倍にならないケースが多いため、使用媒体を増やして応募数の拡大を目指しました。

    詳しい内容は下記ページをご覧ください。
    https://www.bsearch.co.jp/case/1103/?a8=T-.yc-WAKvGA8obRLMkU8UkoqrCnGv4YrMk-_.GyELOAKv.-mphaNv.ampCXbXhl_Lwo5z.4_-.yVs00000023673001

    携帯電話・通信サービスの販売及び代理店業務(携帯ショップ運営)

    二つ目の事例は携帯電話・通信サービスの販売及び代理店業務(携帯ショップ運営)です。
    モバイル通信キャリアの一次代理店業とMVNO(仮想移動体通信事業者)事業を中核事業とした企業様は、採用戦略の見直しで、媒体の費用対効果を3倍にすることができました。

    実際に作成した採用戦略を見てみましょう。

    1. チームの編成
      人事担当者とその上司をチームに加えた上で、メンバーを大幅に増やしました。
      実際の現場にいる方がチームに加わることで、より具体的なペルソナ設定やスケジュール設定を行うことができるようになりました。
      離職率が下がったことにも繋がっていると考えています。

    2. 人物像(ターゲット)の明確化
      採用チームに現場の責任者も加わっていただけたことで、「子育てが終わって生活が落ち着いたので再び働きたいと考えている主婦(主夫)」や、「前職は上司など人間関係が嫌になってしまった第二新卒」など、具体的なペルソナを立てることができました。
      その結果各原稿の内容もより具体的でピンポイントで狙った求職者に訴求できるようになりました。ターゲットを絞ることで、有効応募率を50%から70%以上に高められました。

    3. スケジュールの決定
      実現可能な範囲で、最短での採用スケジュールを作成しました。
      そもそも不可能な、現実出来のない目標ではないため、全員が目標に向かって一致団結して動くことができました。
      ただ応募数を増やすだけではなく、どうしたら面接突破率をあげられるか、どうしたら内定者の受諾率をあげられるか、おのおの意見を出し合って改善していくことができるようになりました。

    4. 自社の強み、打ち出す魅力を決定
      若い社員が多く、誰でもとても話安い雰囲気で、ギスギスした雰囲気は全くない部分を強く押し出しました。その結果、どの年代も応募者数を増やすことができました。
      人間関係で嫌な思いをしたくない人や、煩わしさを感じたくない人からはかなり受けがよく、採用率も上げることに繋がりました。

    5. 採用手法の決定
      効果の良い、運用型広告に集中する判断をしました。
      いろいろな媒体を試して広げていくのではなく、店舗が多いという自社のメリットを活かせる、Indeedや求人ボックスなどの運用型のWeb広告で効率的に応募を獲得。
      応募者の7~8割を獲得できるようにしました。
      結果的に全体の応募数は3倍以上になりました。
      また、見る媒体が減ったことで応募者への対応も早くなり、面接の設定率も高めることで選考に進む人数が増えました。

    詳しい内容は下記ページをご覧ください。

    https://www.bsearch.co.jp/case/?a8=T-.yc-WAKvGA8obRLMkU8UkoqrCnGv4YrMk-_.GyELOAKv.-mphaNv.ampCXbXhl_Lwo5z.4_-.yVs00000023673001

    スポーツクラブ運営(健康産業事業)

    三つ目の事例は、スポーツクラブ運営(健康産業事業)についてです。関東エリア(東京、埼玉、群馬)を中心に健康産業事業(インストラクター・受付スタッフ)を行っている企業様は、採用戦略の見直しで、約25万円で86応募を獲得することができました。

    では、実際に作成した採用戦略を見てみましょう。

    1. チームの編成
      各店舗に任せていた採用活動を本社のみに一本化し、採用ノウハウの蓄積を行い、各店舗と本部と予算をそれぞれ合わせて捻出して予算を確定させました。店舗ごとに採用を任せるとペルソナ設定やスケジュール設定がずれてしまうと考えました。各店舗ごとに出来ていなかった対応をスムーズに行うことができました。

    2. 人物像(ターゲット)の明確化
      会社全体の基盤が整ったことで、「この時間のレッスンに入れる主婦(夫)層」や、「それぞれの店舗で足りていない職種」など、具体的なペルソナを立てることができました。
      その結果、各店舗ごとの求めるターゲットを獲得できるようになりました。Indeedの地域に合わせた採用手法が実現でき、応募数が86応募と圧倒的に増え、採用へと繋げることに成功しました。

    3. スケジュールの決定
      各店舗に任せていた採用活動を一本化させることで、採用までの期間を決めて動くことができました。本社に一本化したものの、各店舗の責任者とこまめに連絡を取りながらすり合わせを行うことができた分、採用ノウハウがそれぞれで蓄積され、共有しながら改善を行ったりと臨機黄変に対応できるようになりました。

    4. 自社の強み、打ち出す魅力を決定
      会社全体の強みを打ち出し、対応できていない店舗への二次効果で経験者であり即戦力となる人材を採用することに成功しました。複数店舗あることをメリットとし、応募が集中した場合は分散させるなどの対応を行うことで、採用率や効率を上げることができました。

    5. 採用手法の決定
      本社一つで管理するメリットは、応募者を一つの管理画面から確認できるようになったことでした。
      各店舗ごとに複数媒体掲載するのではなく、店舗が多いという自社のメリットを活かせる、Indeedの運用型のWeb広告で採用を行うことで、Indeedの地域に合わせた採用手法が実現できました。
      応募数も会社全体で86応募と圧倒的に数が増え、経験者の採用もできるようになったことで、これまで人出不足でオープンできていなかった地域にも店舗を出店し、会社全体の売上増加にも繋がりました。

    詳しい内容は下記ページをご覧ください。

    https://www.bsearch.co.jp/case/301/?a8=T-.yc-WAKvGA8obRLMkU8UkoqrCnGv4YrMk-_.GyELOAKv.-mphaNv.ampCXbXhl_Lwo5z.4_-.yVs00000023673001

    まとめ

    いかがでしたでしょうか。本記事では採用戦略の立て方からステップまでをまとめてご紹介いたしました。

    採用戦略の立案・実行を外部の企業に任せる場合は、ぜひ株式会社bサーチにご相談ください。
    株式会社bサーチは無料でコンサルティング・採用戦略のお手伝いを行っております。
    採用戦略だけでなく、使用媒体の選定や、PCDAサイクルの回すお手伝いなど、多岐にわたった手法で採用をご支援させていただいております。
    豊富な人材マーケットの知見を活用した、貴社にベストマッチする採用戦略を立案し、実際に実行するサポートをいたします。
    採用戦略を行った導入事例も多数ございますので、まずはお気軽にご相談くださいませ。新卒、中途、アルバイトすべての雇用形態でのご支援が可能です。

    採用活動は起業の成長を大きく左右する重要な要素です。採用活動の成否が会社の成長場面も多々あるでしょう。
    だからこそ採用担当の部署だけでなく、各募集部署をはじめ経営層も含む会社全体で自社の強みを打ち出し、採用戦略を立て、計画的に優秀な人材を採用できる準備が必要です。

    今回ご紹介したようなポイントをおさえた採用戦略を立て、実践し、効果を検証し、改善を続けていくことでより精度の高い採用活動を行うよう心がけましょう。

    人材採用でお悩みの方には、サポートいたします。お気軽にお問い合わせください。
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