中途採用市場は、求職者が集まりやすい時期と集まりにくい時期がある程度決まっています。
求職者が集まりにくい時期に求人広告を出しても、転職希望者が集まらない可能性があるので注意が必要です。
しかし中途採用の採用目的によっては、採用時期を考えずにできるだけ早く採用活動を始めた方が良い場合もあります。中途採用を行う時には、採用時期に合った採用戦略を立てるのが重要です。
本記事では中途採用が活発化しやすい採用時期や中途採用を行うべきタイミングを解説していきます。
目次
中途採用が活発化する採用時期
中途採用に適した採用時期
毎年定期的に行われる新卒採用と異なり、人材不足や事業拡大など不規則なタイミングで行う中途採用は、年間を通してある程度、中途採用市場(求人)が活発化する時期が決まっています。
中途採用の求人活動が活発化しやすい採用時期は以下のとおりです。
- 年度初めからの転職を想定した1月~2月
- 夏採用が活発化する6月~7月
- 下半期や翌年に向けた欠員補充を行う9月~11月
それぞれの採用時期の中途採用市場の特徴を確認していきましょう。
1月~2月
1月から2月にかけては、4月から新しい職場で働こうと考える求職者が転職活動を始める採用時期です。
また企業にとっても3月末の年度末で退職する従業員の欠員募集や新年度の組織編成に向けて求人募集をかける採用時期でもあります。
そのため1月から2月は、求職者も多く企業も中途採用に積極的な採用時期といえるでしょう。
新卒採用を行っている企業の場合、4月からは新入社員の研修や配属で忙しくなるので3月末までに中途採用を完了させようとするケースも多いです。年始の1月初旬は求職者の動きが鈍化していますので、1週目以降や2週目から掲載を開始すると求職者が動き出す、活発なタイミングで掲載が可能です。
6月~7月
7月のボーナスを受け取ってから退職しようと考える求職者が増加するのが、6月から7月の夏採用時期です。
中途採用の場合、1~3ヶ月程度かけて転職活動を完了させたいと考える人が多いので、9月入社や8月の退職を目標として、6月から転職活動を始める求職者が多いのが特徴的です。
企業にとっても新入社員の研修や配属が完了する6月頃は、中途採用を行いやすい採用時期でもありますね。
自社でも7月のボーナス支給後に退職する従業員がいる場合、この時期に採用活動を行っておくと人材不足に陥りにくくなると言われています。
9月~11月
日本では4月を年度初めとしている会社が多いので、10月の下半期開始時期から転職先で働きたいと考える求職者も多いのです。
10月に入社するために逆算し、お盆が終了した頃から9月頃にかけて求職者が増える傾向にあります。
その一方で会社側は、10月の下半期の人材確保が完了している場合が多いので、中途採用市場の需給バランスが落ち着く採用時期ともいえるでしょう。
年末の繁忙期に備える企業様の採用活動が活発になるのもこの時期になります。
毎年新卒採用を行っている企業の場合、新卒採用が落ち着く10月以降に中途採用を始めるケースも多いです。
中途採用が活発化しにくい時期
非採用時期とは
中途採用が活発化しやすい採用時期があるように、中途採用が活発化しにくく求職者も求人募集も多くない時期があります。
中途採用が活発化しにくい時期は主に5月と8月と12月です。
長期休暇が重なる時期は企業の採用活動の休止と求職者の動きが停滞します。理由とともに解説していきます。
5月 ゴールデンウイーク
5月の頭にはゴールデンウィークがあるので、企業も休みに入ってしまい、中途採用を行っても応募者との連絡や日程調整が難しくなってしまいます。
採用活動に余計な手間がかかってしまうので、中途採用を避ける企業も多いです。
また4月を年度始めとしている企業の場合、5月はすでに人材配置がある程度落ち着いている時期でもあります。
そのため求職者、企業共に中途採用市場が落ち着く時期といえるでしょう。
8月 お盆
8月にはお盆がある為、求職者の動きが一旦停滞します。
しかしお盆明けから9月入社に向けて動きは活発になります。
12月 年末年始
12月も年末年始の休暇があるので、5月同様に中途採用を行っても応募者とのコミュニケーションを取るのが難しくなってしまいます。
そのため年が明けてから4月入社を目標とした中途採用を行う企業も多いです。
一方でゴールデンウィークやお盆、年末年始などの長期休暇は、普段忙しい人材が落ち着いて転職活動に臨める時期でもあります。
- 専門的なスキルを持つ人材
- 役職者や経験豊富な人材
上記のように本業と並行して転職活動を進めにくい人材を集めるのであれば、あえて閑散期に中途採用を行うのも選択肢のひとつです。
中途採用はどのタイミングで行うべき?
毎年定期的に行う新卒採用と異なり、中途採用はどのタイミングで行うべきか迷ってしまう採用担当者様も多いのではないでしょうか。
本記事で解説したように、中途採用市場は活発化しやすい採用時期と比較的落ち着く非採用時期がある程度決まっています。
中途採用の戦略を立てる時には、自社は活発化している採用時期を狙うのか、落ち着いている非採用時期を狙うのかをまずは決める必要があります。
中途採用市場の活発具合に合わせて、採用戦略を立てないと失敗してしまう恐れがあるからです。
それぞれのタイミングに合った戦略を解説していきます。
基本的には中途採用市場が活発化する採用時期がおすすめ
中途採用を行うのであれば、基本的には中途採用市場が活発化する時期を狙うのがおすすめです。
理由は単純で、求職者が多く集まる時期には、母集団形成や応募者の確保をしやすくなるからです。
一方で中途採用市場が活発化する時期は、他社の求人募集(求人数)も増える傾向にあります。
そのため自社求人が同業他社や同地域、同企業規模の求人条件と比較して、著しく低い場合には応募者が集まりにくくなってしまいます。
中途採用市場が活発化している時期に、採用活動を行うのであれば以下の戦略がおすすめです。
- 複数の求人媒体に募集情報を掲載して露出を増やす
- 他社の求人と比較されないように人材紹介会社を活用する
- 他社求人と比較して魅力的に見える求人条件を設定する
上記の採用戦略を実施すれば、他社に求職者が流れてしまう可能性を少しでも減らせます。
全国採用に特化した求人広告代理店bサーチでは、お客様の採用戦略に合った提案を行っています。
様々な求人媒体への広告掲載を取り扱っていますので、メディアミックス戦略や求める人物像に合った求人媒体の選定も可能です。
あえて中途採用市場が落ち着く採用時期を狙うのもアリ
中途採用市場が落ち着く時期でも、一定の数の求職者は見込めます。
そのため、あえて採用市場が落ち着く時期に中途採用を行うのも、選択肢のひとつです。
採用市場が落ち着く時期に中途採用を行えば、求人自体を行っている企業が少ないので、求職者を集めやすくなります。
中途採用市場が落ち着く時期に採用を行うのであれば、以下の戦略がおすすめです。
- ハイスペックな人材や経験豊富な即戦力の採用を行う
- スカウトメール等を活用して、ターゲットに直接アプローチする
また、ゴールデンウィークやお盆、年末年始など長期休暇が入る場合は求職者の動きが鈍くなりますが、
各種求人メディアは掲載期間を1週間~2週間延長するなど対策を講じている場合がほとんです。
費用対効果についてはどの時期に掲載してもほとんど変わらないでしょう。
求人広告代理店bサーチでは、求人広告の掲載だけでなく、お客様の採用活動全体に関する提案も行っています。
求める人物像の設定に関する提案も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
欠員が出た場合には採用時期を無視してすぐにでも採用活動を始める
中途採用の場合、従業員の退職などで欠員が出た際に行うケースもあるでしょう。
採用目的が欠員募集の場合には、中途採用市場が活発化するまで待つ必要はなく、採用時期に関係なくすぐにでも採用活動を始めた方が人手不足を早く解消できる可能性が上がります。
ただし本記事で解説したように、中途採用は募集採用時期によって採用戦略を変える必要があります。
急な欠員補充が出て、どんな採用戦略を立てれば良いかわからない場合には、中途採用に関するノウハウを持つ求人広告代理店に相談するのがおすすめです。
また業種によっては採用時期に関係なく求職者が活動する場合があります。特定業種の不祥事や、海外の企業の工場誘致に成功した自治体の情報が発表されるなど突発的な採用情報が増えることで就活を行っている求職者が採用時期に関わらず採用活動をスタートする場合があります。
自社の属性と同じ業種のニュースを追いかけるのも有効な手段の一つでしょう。
マクロ環境を考慮する場合は時期を早めに採用活動を行う
有効求職者数・有効求人数・有効求人倍率の推移
期間:2000 年 1 月~ 2023 年 6 月
大きな出来事が起こったタイミングで、求人数は減少し、求職者の数は増加します。
このタイミングで求人を開始した場合、競合企業も少なく、求職者が多いので、採用としては非常に上手くいきやすい時期になります。
現在コロナのタイミングで大きく求人件数が減少していたタイミングから徐々に掲載件数が増えてきています。
この流れはしばらく続きそうと判断する場合はなるべく早めに掲載していくことをお勧めします。
月別や月単位の掲載時期よりも大きな変動要因となるため、マクロ的な動きも視野に入れて採用活動を進めていくことが大切です。
地域別有効求人倍率(21年6月-23年6月)
ポイント:新型コロナウイルスの影響で全国的に有効求人倍率が低下していたが、2022年4月以降は全国的に回復が見られる。
参考:厚生労働省「都道府県(受理地)別労働市場関係指標(実数、季節調整値)」、求人倍率はパーソルキャリアにて独自に算出
希望入社日までに採用を成功させるコツ
中途採用を行う企業としては、新組織や新年度のスタートなど、企業が希望する入社日までに人材を確保したいと考えるはずです。
希望入社日までに必要な人材を集めるコツを4つ紹介していきます。
中途採用フローを作成しておく
中途採用フローを作成しておけば、募集から面接、内定、採用までにかかる期間の予測もしやすくなります。
結果、希望入社日から逆算して採用活動を行えるようになります。中小企業では採用フローを確立させていない会社が多くあり、一度フローを作ることで今まで見えていなかった採用失敗の理由が明確になるはずです。
自社の採用フローを再度見直し、採用時期と採用フローに合わせた採用戦略を構築しましょう。
希望入社日から逆算して中途採用活動を始める
希望入社日が決まっている場合には、逆算して採用活動を始めましょう。
転職希望者は、1~3ヶ月程度かけて転職活動を行うケースが多いです。そのため4月入社を目標としているのであれば1月から2月くらいまでには、中途採用の募集を行っておく必要があります。
1月に求人広告掲載開始 母集団形成
2月に面接実施
3月に内定及び退職期間(退職期間は在職中の方の場合1か月前後)
4月に入社 (入社手続き書類の準備期間も必要です。)
内定辞退も考慮しておく
希望入社日までに必要な人数の確保を目標とするのであれば、内定辞退率も考慮して募集や採用を行いましょう。
内定辞退率の改善努力は可能ですが、内定辞退を完全に失くすことは難しいです。
内定辞退が発生してしまい、採用活動をいちからやり直す、ということがないように応募者ごとの選考スケジュールに幅を持たせておくのも良いでしょう。もちろん、内定者全員がスムーズに入社することが一番です。不慮の事態に慌てないよう、選択肢の一つとして採用フローに組み込みましょう。
採用活動の中途採用時期やターゲットにあう求人方法を選択する
中途採用では、時期やターゲットに合わせた求人方法や採用戦略を実行するのが重要です。
時期やターゲットに合ってない求人方法を選択すると、他社求人と比較され負けてしまう可能性もあります。
また、競合他社や大手企業など他社求人と比較し魅力的でない表現や待遇を改善し、ターゲット求職者が動き出す採用時期に合わせた求人媒体や求人方法、スケジュールを選択しましょう。
第二新卒や20代を採用するなら→若手比率が多いdodaや20代に特化したRe就活など
ミドルシニア層を採用するなら→マイナビミドルシニアやindeed、求人ボックスに40代、50代やミドルシニアのキーワードを入れるなど
bサーチなら採用業務の効率化が可能です
採用時期に合わせた中途採用戦略の構築
中途採用を成功させるには、中途採用市場の活発具合や採用時期に合わせた戦略を実行するのが大切です。
しかし毎年行う新卒採用と異なり、不定期なタイミングで行う中途採用はノウハウを十分に蓄積できていない企業も多いです。
bサーチでは、中途採用の採用戦略や求人方法にお悩みの企業や採用担当者様向けに、サポートを行っています。
【取り扱い求人サイト】リクナビNEXT/doda/マイナビ転職/indeed/求人ボックス/type/女の転職typeなど
100種類以上の採用サービスから職種や時期など企業様にとってベストな採用サービスをメリット、デメリット含めてしっかりご説明いたします。
お客様からいただいた求人広告を掲載するだけでなく、採用時期に合わせた求人方法や掲載媒体選定のお手伝いも行っています。
まとめ
人材補充など必要なタイミングで不定期に行われているイメージが強い中途採用ですが、求職者や求人募集の数が増加しやすい時期や求人サイトが閑散とする時期は1年を通してある程度決まっています。
中途採用市場が活発化している時期に採用を行えば、より多くの求職者に求人情報を見てもらいやすくなります。
ただし中途採用市場が活発化する時期は、他社が中途採用に積極的な採用時期でもあるので、ライバルに負けないように注意が必要です。
中途採用の戦略や求人方法選びにお悩みの企業や採用担当者様は、中途採用に関するノウハウを持つ求人広告代理店に相談することもご検討ください。